【2024年5月第3週】気になったニュースを紹介&解説3
こんにちは、兵庫県 西宮市の弁理士・倉橋です。
今回は少し趣きを変えて、2024年5月中旬までのニュースで気になった記事をピックアップして、解説したいと思います。
目次
生態系の変化が進行中。昔ながらの特産品の危機!?
近年、海の生き物の生息域に異変が起きており、各地の漁獲量にも変化が生じているとのこと。
原因は温暖化の影響とみられていますが、この傾向は水産業だけでなく、農林業にも及んでいるようです。
参考記事:「朝日新聞 岩手にイセエビ、腐る羅臼昆布 進む温暖化、禁漁しても魚が増えない」
これに危機感を持っているのは、一次産品を地域の特産品としている地域団体や市区町村などです。地域の特産品として長年販売し続けてきた結果、全国的に知られる地域ブランドとなっているため、こういった気候変動の影響をモロに受けてしまいます。
「品種改良を試みるか」「栽培方法などを変化させるか」などの方法も考えられますが、
栽培場所や育成方法などを含めて地理的表示(GI)を取得しているブランドは、生産が困難になってしまうと存続すらできなくなるため、
急いで対策を講じる必要があると考えられます。
地域ブランドは基本的に伝統的なものですが、様々な変化・選択が迫られている地域ブランドもあるようです。
日本でもヒットする? 独自体験サービスの可能性
米エアビーアンドビー(Airbnb)が、アイコニックのサービスに空飛ぶ家に宿泊できるプランを追加しました。
アニメ映画「カールじいさんの空飛ぶ家」を再現した施設で、アメリカのニューメキシコ州とのこと。アメリカはスケールが違いますね。
参考記事:「日本経済新聞 Airbnb、「空飛ぶ家」の宿泊プラン 独自体験で利用促進」
エアビーアンドビーはシェアリングサービスとしての宿泊施設の提供だけでなく、独自体験の提供を行っている企業。
素敵で非日常な宿泊場所だけでなく、ユニークなツアーサービスなど、ワクワクする体験がたくさんあり、私もたまにアプリを回遊しています。
エアビーアンドビーのアプリを見ていて感じるのは、月並みな言葉ですが、本当に様々なサービスが存在するということ。
それぞれのホストが自由にパッケージ化しており、独自のサービスを展開していると色々な気付きが得られます。
旅の思い出は一生もの。独自体験サービスが人生を豊かにしてくれるのではないでしょうか。
体験やワクワクする事にお金をかけたいという人は多く、日本でもインバウンド客を中心に、かなりの需要があると思われます。
なお、体験ホストになりたい人が多いからか、日本では今のところAirbnbでの受付がストップしている模様です(2024年5月9日現在)。
海底熟成酒? 誰も経験したことのないモノこそ高い付加価値を生む
2024年3月20日に、海底で酒類の熟成を行う世界初の「海底セラー」の一般公募が開始されました。
酒類の消費量は年々減少しており、大手酒メーカーもノンアルコールで楽しめるバーを開くなど、業界全体が色々と試行錯誤を行っているようです。
参考記事:「Web東奥 3/20 世界初の海底監視システムを活用した海底熟成酒事業者が「海底セラー」一般公募開始」
今回のサービスは、海底に沈めたお酒を監視する海底監視システムを使って、長期間お酒を沈め、海底で酒の熟成を行うというサービスです。鍾乳洞などでお酒を熟成している様子を見たことはありますが、海底で熟成させるというサービスは正に世界初ですね。
誰も経験したことのないモノこそ高い付加価値を生むのが良く分かります。
自然の力がお酒の香りと味にどのような変化をもたらのかは未知数ですが、
海底で長期間熟成させたお酒を飲むというのは、これまで人類が誰も体験したことのない体験であり、こういった新しい体験が好きな人は結構多いのではないでしょうか?
ちなみに、海底熟成酒事業は2020年頃から実施されており、すでにふるさと納税にも採用されているとのこと。
海底熟成は、お酒に限らずソフトドリンクや漬物とかにも応用できそうですね。
また、こういった話を聞くと、正にアイデア・発想次第で様々なサービスが生まれるのだと感じますし、これからも色々な商品サービスが生まれると思うとワクワクしますね♪
世界で大ヒット中の日本の果物のポテンシャル。ブランド価値の高い農作物+スマート農業がカギ
日本のベンチャー企業が、屋内栽培の「植物工場」でイチゴの量産化に成功させ、ニューヨークで大ヒット中とのこと。
私も家庭菜園をやっている関係で、災害や天候の影響・害虫被害をできるだけ抑えつつ収穫量を上げたいと考え、屋内で栽培できないか妄想したこともありましたが、すでに世界で成功させている方がいました!
参考記事:「Yahoo!JAPANニュース 日本のイチゴが大ヒット、アメリカで脚光の200億円調達ベンチャー。「世界で一人勝ち」の理由」
記事によると、実は2000年代前半に日本でも植物工場ブームが起きていたとのこと。しかし、当時は技術的なハードルから葉物野菜しか作れなかったことから、下火になっていたそうです。
近年、各種センサー等の開発、Iot技術やビッグデータ管理、AI解析技術などの様々な技術革新によって、その技術的ハードルを越えることに成功し、季節を問わず量産できる体制ができたというから驚きです。
もちろん、ブランド価値が高くて単価の高いイチゴの栽培だからこそ、儲かるビジネスモデルとして資金調達ができたことが大きいですね。
日本には美味しいブランド品種が多く存在しています。
今回はイチゴでしたが、これに限らず他のブランド作物や畜産物も同じように大ヒットする可能性を秘めています。
長年の改良によって生まれた日本のブランド品種が、徐々に世界に認知され始め、海外での販路も広がっていくものと思われます。
将来の日本の農業・畜産業がどのように発展していくのか、今後も注目していきます。
いかがでしたでしょうか?
今後も気になったニュースをご紹介したいと思います。ご質問やご相談がある方は、お気軽にお問合せください。
それでは!