意匠とは?意匠登録に必要な要件について解説!

こんにちは。兵庫県 西宮市の弁理士・倉橋です。

 

先日は意匠法の目的や、意匠法の保護対象などについて大まかに説明させていただきました。続きとなる今回は、「意匠権」「意匠登録の要件」について簡単に解説したいと思います。

 

意匠法上の意匠とは?

前回のおさらいになりますが、

意匠法上の意匠とは、
❶ 物品の形状・模様・色彩とこれらの結合(以下「形状等」)、
❷ 建築物の形状等、
❸ 画像(操作画面や、機能を発揮した際の表示画面)の形状等
であって、それを見たときに美感を起こさせるもの

 

でしたね。以下❶~❸について、簡単に説明していきます。

【余談】
以前は、意匠は物品の形状等に限られていましたが、

令和元年の意匠法の大幅な改正によって、意匠の保護対象が物品だけでなく「建築物」「画像(様々なものに投影される画像やアイコン等)」にまで拡張されたので、少々複雑になりました。

「建築物」「画像」の意匠については、どんなものが登録・保護されているのか、実際の事例を示した方が解りやすいと思うので、別の記事で詳しく紹介いたします。

 

物品の形状等について

「物品の形状等」とは、基本的に量産品の外観のデザインになります。

但し、内部の部品であっても、流通過程で独立した製品として取引されている場合には、意匠と認められます。

 

さて、「物品」として認められるモノは、視認できて定形の有体物(動産)であって、取引可能なものになります。

 

ニオイや音などのように、目で見て確認できないモノは当然ながら物品ではありませんよね。また、砂糖のように、一つ一つの形状を肉眼で確認できない小さなモノも、一部の例外を除いて物品の形状とは認められていません。

さらに、電気や熱などの無体物や、液体やガスなど固有の形態を有していないもの(定形性がないもの)物品とは認められていません。

 

一方で、(溶けたらドロドロの)アイスクリームや氷菓子、パン、飴細工、砂糖菓子などのように、取引の際に形を有しているモノについては物品の形状等として意匠登録が可能です。

 

 

建築物の形状等について

(1) 旧法では量産可能な建築物のみ保護(意匠登録)が認められていましたが、令和元年の意匠法の改正によって「一点もの(量産品以外の)建築物の形状等」も新たに保護対象に加えられました。

 

(2) さらに、法改正によって、店舗等の内装(内装の意匠)についても意匠登録を受けることができるようになりました。

「内装の意匠」の条件は、次のとおりです。

・店舗や事務所等の内部設備や装飾であること
複数の物品や建築物構造物、画像などで構成されていること
内装全体として統一的な美感があること

文章だけみてもイメージが湧かないと思われるので、別の記事で事例を使って紹介いたします。

 

 

画像の形状等について

テクノロジーの発達とともに、画像の意匠もこれまでに何度も改正されていて少々複雑になっていますが、
現行法上の画像の意匠は、「操作用の画面、または、物品が機能を発揮した際に表示される画像」に限られており、具体的には次の2つとなっています。

・物品にあらかじめ記録された画像
・外部からの信号等による画像を表示したもの

 

・「物品にあらかじめ記録された画像」とは、
例えば、デジタルカメラや測定装置などに組み込まれた操作画面や、表示画面を指します。また、スマホなどのアップデート画面などがコレに該当します。

・「外部からの信号等による画像を表示したもの」とは、
例えば、パソコン上に表示されるウェブサイトの画像やクラウドソフトの画像、他の物品に投影される画像などがコレに該当します。

 

 

意匠登録に必要な要件

意匠の登録には、以下の3つの要件を満たす必要があります。

(1)物品、建築物または画像の意匠であること
(2)新規性を有すること
(3)創作非容易性を有すること

 

上記(1)は上述したので説明は省きます。

上記(2)「新規性を有する」とは、出願前に日本や外国で公知になっていないことを言います。パンフレットや書物、インターネット上で同一または類似のデザインが発表されていないことが登録の要件になります(特例制度・救済措置はあります)。

 

上記(3)「創作非容易性を有する」とは、出願前に日本や外国における公知のデザインから簡単に創作できたもので無いことを言います。そこまで難しい要件ではありませんが、既に知られた多くのデザインの一部分を寄せ集めて作った場合などは、この要件をクリアできません。

なお、これ以外にも、公序良俗に反するデザインや、物品の機能・規格を確保するための必須形状(例えば、パラボラアンテナの反射鏡や、JIS規格の形状など)は、出願しても不登録になります。

 

 

いかがでしたか?

かなり端折りましたが結構長くなってしまったので、なかなか定義などが難しいなと感じられた方も多かったかもしれません。

しかし、皆さんが自ら出願する場合以外は、概要を理解していただければ十分だと思います。細かな要件や手続きに関しては、専門家である私たち弁理士にお任せください。

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