意匠法の目的と、法的に保護する理由などを解説

こんにちは、兵庫県 西宮市の弁理士・倉橋です。

前回の記事アップから少し間が空いてしまってスミマセン。年度末ということのあり、最近バタバタしておりました。と言い訳をしても仕方がありませんね…(汗)

 

さて今回は、「意匠法の制度」「法律で保護する理由」などについて簡単に解説したいと思います。

意匠法と言えば、令和元年に大幅な改正があったばかりです。今回の改正によって、私が弁理士試験をしていた頃に比べて、保護対象がずいぶんと拡大されました。

【余談】
的財産権とは、人間の知的活動によって生み出された知的財産の中で、法律で特別に規定された権利です。

今回の改正によって保護対象が拡大されたということは、これまで権利が取得できなかったものについても権利取得ができるようになったということです。

 

意匠法の目的とは?

意匠法の法目的は、

意匠の創作を奨励することで、産業の発達を促すこと」となっています(意匠法第1条)。

 

さすがにこれだけでは言葉足らずだと思うので、以下補足します。

まず、「意匠」とは、基本的に量産される製品のデザインのことです。そして、「意匠の創作」とは、物品や画像、建築物などの美しい形状・デザインを探求する行為と言えます。

 

さて、店頭で販売されている商品にオリジナリティ溢れる美しい意匠(デザイン)が施されていたら、どうなるでしょう。きっと、皆その商品を欲しがると思いませんか?

優れたデザインは、それ自体が製品の価値を高める重要な経営資源(その製品の需要を増加させる財産)であると考えられています。

つまり、「優れた美しい意匠(オリジナリティ溢れるデザイン)を財産として保護し、経済活動に活用してもらうこと」で新たな意匠の創作を奨励し、それによって産業の発達を促そうというのが意匠法の法目的になります。

 

意匠の保護対象とは?

さて、先ほど「意匠」とは 基本的に量産品のデザインであると言いましたが、法律(意匠法)上は、次のように定義されています。

「意匠」とは、
❶ 物品の形状・模様・色彩とこれらの結合(以下「形状等」)、
❷ 建築物の形状等、
❸ 画像(操作画面や、機能を発揮した際に表示される画像)の形状等

であって、それを見たときに美感を起こさせるもの

 

意匠法の保護対象とは、この意匠法で定義された意匠の範囲となります。

なお、「美感」とは、美術品のような高尚な美を要求するものではなく、何となく美しいと感じる程度で足りるので、あまり難しく考えなくて大丈夫です♪

【余談】
以前は、意匠法の保護対象が量産品のデザインのみに限定されていました。

しかし、令和元年の意匠法の大幅な改正により、「一点ものと考えられる建築物の形状」「様々なものに投影される画像の形状」等についても、意匠の保護対象に含まれることになりました。

そのため、本記事では「意匠とは基本的に量産品のデザインである」と記載しております。

 

国が意匠権を法的に保護する理由とは?

さて、意匠は物品や建築物、画像(以下「物品等」)のデザインのことだと言いましたが、

物品等のデザイン(形態・外観)は、パッと見ただけで、誰でも容易に認識できてしまいます。つまり、簡単に模倣することができてしまうという問題があります。

 

せっかく考えたデザインなのに、簡単に模倣されてしまっては、健全な競争・産業の発達に支障をきたすことにもなりますよね? そこで、国は、新しく創作した意匠を財産として保護する一方で、その利用を図ることも定めました。

それが意匠法というわけです。

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