「出願番号」とは?(特許・実用新案・意匠・商標)
こんにちは。兵庫県 西宮市の弁理士・倉橋です。
今回は、「出願番号」について簡単に解説いたします。
特許庁に対する手続では、様々な番号が登場します。気になった番号がございましたら、よろしければ以下のブログ記事でご確認ください。
参考:「出願の『整理番号』とは?」
参考:「『発送番号』とは?」
目次
『出願番号』とは?
「出願番号」とは、特許庁に出願した際に付与される個別の番号(識別番号)のことです。
「出願番号」は、一つの出願に対して一つの番号が割り振られます。「出願番号」は、自動的に付与されるため、自分で任意の数字を指定することはできません。
「出願番号」は、例えば、【特願2024-XXXXXX号】のように、
「❶漢字2文字」+「西暦」+「ー」+「❷6ケタの数字」で表されます。
なお、❶の部分は、
・特許出願の場合、「特願」となり、
・実用新案登録出願の場合、「実願」となり、
・意匠出願の場合、「意願」となり、
・商標出願の場合、「商願」となります。
なぜ『出願番号』を付与するのか?
事件(出願案件)に対して、特許庁がなぜ『出願番号』を付与するのか、
その理由は、「事件を特定することで、特許庁の事務効率を図ることができるから」です。
つまり、或る出願案件に対して何か手続を行いたい場合には、
「特願2024-XXXXXX号」を記載するだけで、どの出願案件か簡単に特定できるというわけです。
もし、「出願番号」がなければ、
例えば、ある事件(出願案件)について何か手続をしたい場合があったとしても、「令和〇年〇月〇日に提出した特許出願」といった方法でしか、事件を特定することができません。
しかし、同じ日に提出された出願が多ければ、その中から目当ての事件(出願案件)を探すのは大変手間がかかります。
そこで「出願番号」を付与することで、事件を容易に特定できるようにしているわけです。
なお、実際に「出願番号」が付与される前に、何か手続したい場合には、
【出願番号】に代えて【出願日】の欄を設け、「令和〇年〇月〇日提出の特許出願」と記載するほか、
さらに【整理番号】を記載するなどして、目当ての事件(出願案件)を特定するようにしています。
『出願番号』が分かれば、公開公報の検索が容易にできる
特許や商標の出願を行うと、一定の期間経過後に、公開(公報に掲載)されます。
出願した内容が公開されている場合に限定されますが、
検索したい出願の「出願番号」が分かっていれば、例えば「特許情報プラットフォーム(J-Platpat)」などで出願番号を入力するだけで容易に検索を行うことができます。
出願番号が分からない場合には、出願人名やキーワードなどを使って検索を行うことになるため、多少手間がかかってしまいます。
いかがでしたでしょうか。
特許庁に対する手続では実に様々な番号が登場します。覚える必要はありませんが、一つ一つ意味があるのだということだけ、心に留めていただければ幸いです。
なお、特許庁に対する各種手続・知的財産に関する判断については、専門知識と経験が必要な場合もあるため、基本的には弁理士に依頼することをオススメいたします。
また、権利取得や手続に関してご不明な点や、ご質問がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
当事務所では、商標や特許、意匠の出願手続のほか、
スタートアップや中小事業者の知財トラブルを未然に防ぐ「知財の相談窓口」として、ブランディングや(商品開発段階・商品販売後の)権利侵害などの相談も承っています。