特許庁の「識別番号」「識別番号通知」とは?

兵庫県西宮市にある「倉橋特許商標事務所」の代表で、《商標・特許を専門とする弁理士》の倉橋和之と申します。

当ブログでは、世間一般にあまり聞き慣れないと言われる知的財産に関する知識・情報や、私の活動や考えなどを発信しています。

 

 

今回は、「識別番号通知」について簡単にご紹介したいと思います。

 

特許庁に対する手続では、様々な番号が登場します。気になった番号がございましたら、よろしければ以下のブログ記事でご確認ください。

参考:「出願の『整理番号』とは?

参考:「『出願番号』とは?

参考:「『発送番号』とは?

参考:「『登録番号』とは?(特許・実用新案・意匠・商標)

特許庁の『識別番号』『識別番号通知』とは?

「識別番号」とは、一言にすると、出願人にそれぞれ割り振られる9ケタの番号であり、出願人の背番号(個別番号)のようなものです。

 

「識別番号」は、一人の出願人に対して一つの番号が割り振られています。また、「識別番号」自動的に付与されるため、自分で任意の数字を指定することはできません。

 

 

特許庁ホームページでは、次のように説明しています。

識別番号とは、手続をする者に対し特許庁長官が付与する9桁のアラビア数字からなるコード(手続ごとではなく一人の手続者に一つのコード)です。

 

識別番号には申請人登録情報として、住所(居所)、氏名(名称)等を登録しており、手続者が提出書類に識別番号を記載することにより本人確認の方法に用いられます。

参考サイト:「 特許庁 申請人登録に関する手続き 」より抜粋

 

 

この『識別番号』は、「初めて特許庁に出願を行った場合」や「識別番号の付与請求を行った場合」に付与され、葉書で出願人宛て(代理人がいる場合には、代理人宛てに)郵送されてきます。

 

特許庁から出願人の『識別番号』を通知する葉書を「識別番号通知」といいます。

なお、葉書の宛名欄にも「識別番号通知」と大きな字で印字されています。

 

「識別番号」は、

【出願番号(出願案件ごとに付与される番号)】や【登録番号(登録案件ごとに付与される番号)】とは異なります。

 

 

なぜ『識別番号』を付与するのか?

特許庁がなぜこの『識別番号』を出願人に付与するのか、その理由は、

「手続者の負担軽減」 と 「特許庁の事務効率を図る」ためです。

 

 

また、識別番号は出願人の氏名(または法人名)および住所と紐づいています。

出願人はそれ以降に出願する際には、この識別番号を願書に記載することで、住所の記載を省略できます。また、特許庁側は、識別番号を確認すれば、誰の出願であるか判別できるため(住所などと照合する必要がなくなり)事務作業を効率的に行えるというわけです。

 

 なお、識別番号の付与を受けた人は、
氏名若しくは名称又は住所若しくは居所を変更したときは、遅滞なくその旨を届け出なければなりません(例施規4(1))。

ご注意ください。

 

こうやってみると、出願番号に登録番号、識別番号など様々な番号が特許庁から付与されますね。

複数の出願を同時進行で行っている場合は、多くの番号を管理する必要が生じます。

 

 

こういった特許庁のややこしい手続きを行う専門家が弁理士となります。出願ごとや事業ごとなど範囲は人に依ってそれぞれですが、面倒だと思われたら専門家(弁理士)に依頼するのも一つの手段です。

 

 

当事務所では、商標や特許、意匠の出願手続のほか、
スタートアップや中小事業者の知財トラブルを未然に防ぐ「知財の相談窓口」として、ブランディングや(商品開発段階・商品販売後の)権利侵害などの相談も承っています。

 

 

「開発した製品・アイデア・発明について、特許取得できそうか知りたい」「自社の製品が他人の特許権の侵害になっていないか調査してほしい」「他人の模倣品の販売を止めたい」「外国でも特許出願したい」「苦労して生み出した製品・技術をどのように保護すべきか知りたい」といったご相談も承りますので、お気軽にご連絡ください。

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