【法改正】安全保障等の観点から、特許出願の非公開制度の導入される見込みです

兵庫県西宮市にある「倉橋特許商標事務所」の代表で、《商標・特許を専門とする弁理士》の倉橋和之と申します。

当ブログでは、世間一般にあまり聞き慣れないと言われる知的財産に関する知識・情報や、私の活動や考えなどを発信しています。

 

 

2023年も2ヵ月が経ち、そろそろ春の訪れに心躍らせている方も多いのではないでしょうか?

もうすぐ、新年度。といえば桜の季節ですね♬

 

 

さて、今回は、タイトルにもあるように、特許出願が非公開となる制度が導入される見込みだというお話です。

 

 

現行法では、日本で特許出願された発明は一律、全て公開されます。

それは、特許を与える代わりに公開することを条件にしているためです。公開された発明が特許権の存続期間が切れた後に、広く利用できるようにして、国民全体の生活をより良いものとしていくためでもあります。

 

 

しかし、今回の法改正では、

特定の技術分野の発明(安全保障上の観点から公開しない方がよいと判断でき、しかも産業の発達に及ぼす影響から適当だと考えられる発明に限り、特許出願の公開を留保するという法改正がなされるとのこと。

 

ちなみに、公にすることにより国家・国民の安全を損なう事態が起きる恐れが大きい発明を、「機微性の高い発明」と呼ぶらしいです。この「機微性の高い発明」と認められた場合には、保全審査(保全指定)の対象となるようです。

 

保全審査は、特許出願の後最大10ヵ月で、この間に専門家によって特定の技術分野の発明か否かの審査がされるとのこと。

 

なお、保全審査の期間中は外国出願が禁止になる模様です。その他に損失の補償や、情報の管理体制など、制度を定めるにあたっての話合いが進められています。

 

制度運用の開始は、令和6年(2024年)の春頃とされています。

 

この制度が施行されれば、(指定されること自体が稀だと思うため、あまり考えにくいですが)公開されていない発明で拒絶!なんてことも有るかもしれませんね。

特定の企業や研究所の発明は、この保全審査の対象になるものが多いかもしれません。

 

 

政府はできるかぎり出願人の負担を減らしていく方針らしいですが、法律は徐々に変化していってますね。今後も気になる知財ニュースがあれば発信していきます。

 

 

 

いかがでしたか?

特許などの知的財産権制度は、不変ではなく、何年かごとに改正されています。手続や運用が変わることもあり、知らなかった場合には出願したのに権利化できないという事態が起こり得ます。

なお、当事務所では、常に最新情報の入手に努めており、出願手続やご相談の前には特許庁などのホームページなどをチェックしておりますので、ご安心ください。

 

「開発した製品・アイデア・発明について、特許取得できそうか知りたい」「自社の製品が他人の特許権の侵害になっていないか調査してほしい」「他人の模倣品の販売を止めたい」「外国でも特許出願したい」「苦労して生み出した製品・技術をどのように保護すべきか知りたい」といったご相談も承りますので、お気軽にご連絡ください。

 

当事務所では、商標や特許、意匠の出願手続のほか、
スタートアップや中小事業者の知財トラブルを未然に防ぐ「知財の相談窓口」として、ブランディングや(商品開発段階・商品販売後の)権利侵害などの相談も承っています。

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