判例研究は実務能力を鍛えるのにとても役立つ

兵庫県西宮市にある「倉橋特許商標事務所」の代表で、《商標・特許を専門とする弁理士》の倉橋和之と申します。

当ブログでは、世間一般にあまり聞き慣れないと言われる知的財産に関する知識・情報や、私の活動や考えなどを発信しています。

 

ゴールデンウィークも終わって一週間、これからしばらくは祝日が無い日が続きますね。

休日については個人事業主には関係ありませんが、外出する際に込み具合にも関係するので、気になります。

 

 

さて、昨日(5月12日)は相談業務があり、その事前インプットのために判例研究を行いました。
そこで「判例を学習・研究するのって実務能力を鍛えるのに重要だな・・・」と改めて感じ、その気持ちを忘れないよう、こういった記事を書かせてもらいました。

 

以降は「なぜ、実務を行う上で判例の研究が重要・大事なのか」その理由を紹介していきます。あくまでも個人的な見解となりますが、お付き合いください。

 

『判例』とは?

そもそも「判例」とは、

過去の具体的事件の裁判において裁判所が示した法律的な判断のことで、判決の実例のことです。

我々、弁理士の業界では、単に「判例」というと、知的財産に関わる裁判の判決例を指すことが多いです。

 

 

なぜ『判例を研究すること』が重要なのか?

まず、「判例」というのは、実際に起こった事件の判決のことです。

つまり、争いが実際に起こった実例ですので、今後もこういったことが起こり得る可能性があると判断できます。

 

 

そして、その判例を確認すれば争点・経緯・その結果が分かるため、
それらを調べることで実務を行う上での注意点や留意点などのヒントが多く得られて、とても勉強になります。

 

「どんなところで問題が起こり」「どんな論点があり」「どんな論点で実際に争い」「どこが重要視され」「どんな経緯により」その判決となったのかを知ることは、実務(特に、相談業務における法律判断など)を行う上で非常に役立ちます。

 

しかしながら、判例はあくまでも一例にすぎません。

原告と被告との関係や、当時の時代背景など、様々な要因によってその結果は変わってきます。したがって、判例自体は万能ではなく、そのまま全ての問題に適用できるとは限りません。

 

そこは、アナロジー思考(「過去にあった物事」と「現在の物事」の共通点に着目し、現在の課題に応用できるか類推する思考法)が重要になってきます。つまり、判例の中で、現在の問題に類推できるところだけを当てはめて利用します。

 

また、どんな事実が重要視されて判決に至ったのかを知ることで、これから行う事業活動における「注意すべき点」「留意点」がわかります。

 

たまに判例を研究しますが、やはり毎回その重要性に気付かされます。

また、相談業務では、判例の争点や経緯などのエッセンスをまとめて分かりやすく伝えるための「要約力」も必要なので、今回は要約する訓練にもなって一石二鳥でした。

他にも実務能力を高めるために有用な方法はありますが、「判例研究を定期的に行う時間を確保したいな」と思われました。

 

 

今回は、個人的な見解を述べた非常にブログらしい記事になったなと感じます(;’∀’)

面白い判例などもあるので、需要があれば今後 判例を要約してみても面白いかもですね。

 

 

当事務所では、商標や特許、意匠の出願手続のほか、
スタートアップや中小事業者の知財トラブルを未然に防ぐ「知財の相談窓口」として、ブランディングや(商品開発段階・商品販売後の)権利侵害などの相談も承っています。

 

 

「開発した製品・アイデア・発明について、特許取得できそうか知りたい」「自社の製品が他人の特許権の侵害になっていないか調査してほしい」「他人の模倣品の販売を止めたい」「外国でも特許出願したい」「苦労して生み出した製品・技術をどのように保護すべきか知りたい」といったご相談も承りますので、お気軽にご連絡ください。

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