独立開業して不便に思ったこと(その2)
こんにちは、兵庫県 西宮市の弁理士・倉橋です。
今回も、「独立開業して不便に思ったこと」を一つ紹介してみたいと思います。
独立したというと、良いことばかりのように思われますが、やはり不便になったこともあるわけです💦
むしろ独立したからこそ生じた不便なこと、独立して分かった問題もあるわけです。
目次
独立開業して不便に思ったこと(その2)
私が独立して不便に思ったことの一つ(その2)は、
「出願書類の誤字脱字などのチェック作業」についてです。
産業財産権(特許権・意匠権・商標権など)の出願が、早い者勝ち(スピード勝負)であるにも関わらず、
高い完成度が求められる(ミスや抜け漏れ等は許されない)ことは、別の記事でご紹介しました。
参考:「 特許の明細書の作成はなぜそんなに時間がかかるの?(後編) 」
出願書類のチェック作業の大変さとは?
抜け漏れや記載ミスがあると、後で致命的な問題に発展しかねないため、出願書類にミスがないかチェックすることは非常に重要です。私たちも出願前には時間をかけて、目を皿のようにして入念にチェックを行っています。
自分で書いた文章や書類は、流れが分かっていてスラスラ読めてしまうためミスに気付き難いことが多くなってしまいます。
ミスを防ぐため、大手の特許事務所(弁理士事務所)では、書類を作った人とは別の人がチェックする体制(ダブルチェック体制)を整えている場合もあるほどです。
書類を作った人とは違う別の人がチェックすることで、先入観なく文章や記載事項を確認できるため、ミスを発見しやすくなる効果があるからです。
しかし、個人事務所は一人しかいないため、ダブルチェックはできません。そのため、個人事務所ではミスが生じないようチェックの際には工夫が必要になります。
当事務所が行っているチェック漏れを解消するための工夫としては、以下の2つです。
「❶ チェックソフトの導入」
「❷ 書類の作成後、最低でも1日置いてからチェックを行う」
「❶ チェックソフトの導入」に異論を唱える人はいないと思います。機械的にですが、ちょっとした誤字などは発見してくれます。
しかし、やはり最後はまだ人の目による最終チェックが有効なんですよね(2022年8月現在)。ですので、もう一つの工夫は「❷ 書類の作成後、最低でも1日置いてからチェックを行う」になります。
時間を置くとクールダウンされるため、書く人とチェックする人が同一人であっても、ミスに気付きやすくなります。
つまり、書類作成の直後は、書類の内容がバッチリ頭に入っていてミスがあっても気付き難いですが、時間を置くことで思考がリセットされて、記載のミスを発見しやすくなります。
当事務所では、必要に迫られて上記の工夫を思い付いて実行しているのですが、
以前 同業の先生にお話しを聞いたところ、同じことをされてたので、個人事務所ではメジャーな方法かもしれませんね(^^)
いかがでしたか。
独立してみないとこういった不便さは分かりませんし、立場の違いによって色々な経験ができて毎日が楽しいです。