商標出願の「ファストトラック審査」について分かりやすく解説【現在は運用休止】

こんにちは。兵庫県 西宮市の弁理士・倉橋です。

 

今回は、令和4年度をもって休止された「商標のファストトラック審査」について簡単に制度概要を解説したいと思います。

 

参考:「[悲報]商標の『ファストトラック審査』休止のお知らせ

ファストトラック審査とは?


《「特許庁 ファストトラック審査」から抜粋》

 

「ファストトラック審査」とは、
一定の要件を満たした対象案件について、通常の出願よりも早く審査結果が通知されてくる制度です。

 

 

通常の出願の場合、審査結果が通知されてくるまで平均で約9ヶ月かかりますが、
ファストトラック審査の対象案件の場合はそれよりも3ヵ月早い、約6ヶ月で審査結果が通知されます。

 

 

ファストトラック審査の対象案件にするための要件とは?

ファストトラック審査の対象案件にしたい場合には、以下の要件を満たす必要があります。

(1) 指定商品・指定役務に「類似商品・役務審査基準」「商標法施行規則」または「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」に掲載された商品・役務のみを記載していること
(2) 審査開始までに指定商品・指定役務を補正していないこと

 

参考:「特許庁 ファストトラック審査

 

 

ファストトラック審査の場合、商標の「早期審査」のような申請は不要ですし、手数料の支払も不要です。

出願人側からは利用しやすい制度だったため、早期審査しない場合でも「ファストトラック審査」を利用する出願人は多かったです。

 

 

【注意】ファストトラック審査の運用は現在休止されています

タイトルにもあるように、現在はこのファストトラック審査制度は休止されています。

 

具体的には、令和5年3月末をもってファストトラック審査の運用は休止となりました。

特許庁としては、早期審査がなされていない出願も、ファストトラック審査の対象案件か否かをチェックする必要があり、相当な作業負荷がかかっていたものと予想されます。

 

 

早期に商標登録したい場合は、「早期審査」制度の利用をご検討ください

当事務所でも、よく利用していただけに、ファストトラック審査の休止は残念ですが、
もし早期の商標登録を望まれる場合は、「早期審査」をご検討ください。

 

商標の「早期審査」について知りたい場合は、当ブログの記事をご参照ください。

参考:「商標の早期審査とは?メリットとデメリットを解説します

 

 

いかがでしたでしょうか。

現在のところファストトラック審査の運用再開の目途はたっておりませんが、もしも再開された場合には当ブログでもご報告いたします。

「商標登録するか迷われている」「商標登録できるか分からない」「商標調査を検討中」などの場合には、お気軽にご連絡ください。

 

当事務所では、商標や特許、意匠の出願手続のほか、
スタートアップや中小事業者の知財トラブルを未然に防ぐ「知財の相談窓口」として、ブランディングや(商品開発段階・商品販売後の)権利侵害などの相談も承っています。

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